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ご挨拶

Greeting

平成30年年頭所感

会長 吉川 善治

会長 吉川 善治

皆様、あけましておめでとうございます。

 昨年の国内経済は、一昨年後半から続く緩やかな景気拡大が順調に進んだ一年であったと思います。その結果、輸出型産業を中心に業績面でも上向きの結果を残している企業が多い状況です。工業会に関係する業界を眺めますと、鉄鋼業界は熱風炉等の設備の計画的改修が続き、さらに新聞情報では輸出競争力強化のために2兆円を超える設備投資計画もあると言われています。石油元売り各社も業界の再編成が進むと共に仕切り値が上がり、原油価格のゆっくりとした上昇と共に収益体質が大きく改善されています。加えて、石油化学業界もエチレン装置の高稼働が続き、川下になる化学業界も含めて輸出を中心に好業績を示しています。

 設備オーナー側の業績がおしなべて堅調に推移する中で、高経年化が進む装置の安全性や信頼性の向上、災害への強靱化対策などへの設備投資も順調な拡大を続けています。日本プラントメンテナンス協会殿が取りまとめておられる大手設備オーナーを中心とした年間の設備保全費は2010年以降拡大を続けており、プラントメンテナンス業界にも景気の追い風が少し吹き始めたのかと思います。

 しかし、一方でこの業界における最近の問題は、人手不足であろうと思います。人手不足といっても、我々の業界では、2つの課題があります。一つは、定期修理工事のように極端な労働需要が発生するピーク時の作業員の確保であり、もう一つが、業界への若い人の入職の問題、いわゆる「リクルート活動」です。

 作業員の確保の問題は、2016年の定修繁忙年を経て、設備オーナー側も問題視する風が吹き始めたと受け止めています。その現れとして、昨年は石油化学工業協会殿が、「石油化学産業における環境整備など検討会」(第3次検討会)において定修検討ワーキンググループを設置して、働き方改革の一環として活動してきました。その中で、製造産業局 素材産業課も同席された「定修工事に関わる意見交換」の中で、工業会で以前まとめた2008年のデータと新たにまとめた2016年の定修に係わった作業者数の毎月の動員実績の分布を元に、作業員確保の全国的な状況と厳しくなっている背景を説明しました。

 加えて、我々の業界では地方から呼び込んだ作業員の宿泊施設の確保の課題や、社会保険加入100%実現に向けた取り組みもあります。さらに、請負工事側にも働き方改革による時間外労働削減への問題もあります。このように、現在は、今までに無い変化と対応を求められる事業環境となってきています。

 私も年始の挨拶でお客様に伺ったときも、積極的にこのような話題を振りながら、作業員確保の現状について理解をいただくとともに、定修時期の相互調整の可能性をお客様幹部の方にも訴えかけてきました。しかし、個々の企業だけでなく、業界を代表する工業会として、お客様を含む外部に対して訴えかけてゆくことで、世間の受け止め方も変わってきていると思っております。

 一方で、若手の入職難の問題に対して工業会としては、メンテナンスという仕事やその社会的意義の理解を就職指導の先生や生徒に深めてもらう必要があると感じ、工業会の委員会活動の中で学校側との接点を模索してきました。そして、本年に西日本工業大学殿の講座の一部を担わせていただく運びとなりました。また、愛媛県にある公益財団法人えひめ東予産業創造センター殿とも、連係の強化を図ることができました。

 また、昨年はプラントメンテナンス業に功績にあった技術や人を、工業会として表彰する制度を創設し、6月総会にて13名の方々に贈賞しております。第2回目も現在公募しておりますので、ふるって応募していただきたく思います。(1月末で締切りました)

 このような成果を残せているのは、各委員会を構成している委員の方々の地道な活動があってのことと思っております。各委員の方には改めて感謝するとともに、今後も各委員がメンテナンス業界の抱える課題に取り組み続けられるように、会員各社の幹部の方々には工業会の活動に対する一層のご理解とご支援をお願いいたします。そして、本年も各会員様にとって実りある一年に成ることを祈念して、私の年頭の挨拶とさせていただきます。
(平成30年1月24日開催 日本メンテナンス工業会賀詞交歓会より)