JAMSECロゴマーク

ご挨拶

Greeting

平成30年度総会挨拶

会長 吉川 善治

会長 吉川 善治

 本日はご多忙の中、総会にご出席をいただき、ありがとうございます。また、会員各社の皆様には、平素より工業会の活動に対しご理解とご支援を賜り、御礼申し上げます。平成30年度通常総会開催にあたり一言ご挨拶を申し上げます。
 安倍政権が誕生して5年余り。国内の景気動向も薄日が見られるようになり、企業収益や雇用情勢の改善が進んできた一年であったと感じています。
 また、原油価格は、この一年間ゆっくりとした上昇が続き、70ドル程度に進んでいます。一方で石油元売り各社の統合が進んだ結果、ガソリンの仕切り値も引き締まり、元売り各社の業績は相当に改善が進んだといわれています。
 石油化学や一般化学でも、為替が100円から110円の間で安定的に推移してきたのを追い風に受けながら、アジアを中心とする高機能品のみならず汎用原料品の旺盛な需要に支えられ、エチレン設備は高稼動のままで推移してきました。その結果、各社の業績も改善を見せ、ラインの増設や増強などの計画も多く聞かれる状況になってきています。

鉄鋼業界も高経年化が進む装置の安全、安定操業に向けた計画だけでなく、生産性向上のための自動化、省人化対策などの投資など、設備更新への取り組みが計画的に進められてきています。
 先日の6月3日の日経新聞でも、製造業全般の2017年度の平均設備投資額は2016年度比で5.5%増加。これが2018年度には2017年度比で19%近くまで伸びる計画があると報道されています。

 昨年も紹介した日本プラントメンテナンス協会殿の「メンテナンス実態調査」における設備オーナー側の保全支出費(新聞報道より一年前の情報になりますが)、これは2016年度の保全支出費は7兆円と前年比で8%程減少したものの、設備維持や更新のための投資額は増加しており、高経年化した設備への高効率化のため投資、省人化、省エネ化のための投資、信頼性向上のための投資などが続いており、“プラント装置のメンテナンス市場は、縮小局面にはない”と思っています。
 しかし、生産労働人口の減少が続く我が国で、製造業だけでなく非製造業、小売業界も活発化が顕著になってきた結果、限りある労働資源の取り合いとなって人手不足問題が一層顕在化し、定期修理工事を中心とした「ひとの確保」という問題で一層顕在化してきています。
 加えて、「働き方改革」に伴う残業規制強化の立法化が進んでいる現在、設備オーナーの集まりである石油化学工業協会が定期修理工事に係わる従業員の残業問題と、年度や季節によって集中する定修時期の問題について検討すべく、「第3次石油化学産業における環境整備等検討会」の中で定修検討ワーキングを立ち上げ、定修工事のあり方の検討を進めてこられました。この活動に対し、工業会の総務委員会が中心となり、工事請負会社の立場から見た人手不足や熟練度低下の現状や、定期修理工事時期や工期に対する希望等を、昨年8月に提案させていただいています。このワーキングの検討結果は答申という形で今年の3月に経済産業省に報告されており、この動きが石油精製の分野へも広がってゆくことを期待している状況にあります。

 また、業界への新卒者の入職に関する工業会の調査から、送り出し手である学校の進路指導層に“メンテナンス”に対する理解が得られていないという状態にあることは昨年報告しました。これに対して、昨年の活動の中で愛媛県にある新居浜工業高等専門学校殿と北九州市にある西日本工業大学殿で、交流を図ることができました。その御縁で、今回の研修セミナーには、西日本工業大学の西尾学長様に同大学の「実技・実践に基づいたこれからの大学教育」と題して、大学での設備保全に関する教育のご紹介をお願いした次第であります。詳しくは、平成29年度事業報告書(案)の19ページの委員会活動に記載しています。当会としても、この様に新卒者の送り出し手である学校関係との交流の窓口を、今後も広げてゆきたいと思っています。

 さらに、一昨年制定しましたメンテナンス工業会独自の表彰制度に対して、今回の第2回も多数の応募をいただきました。今回の選考結果は後ほどの懇親会の場で発表させていただくこととさせていただきます。
 世界経済は、トランプ政権の政策で振り回されるリスクを負いながら、一応の落ち着きと成長の道を歩んでいます。この流れを受け、国内経済も低位ながら成長の歩みを続けています。オリンピック関連工事は今年から来年に向けて佳境となります。2025年には大阪万博誘致という声も上がっています。しかし、生産労働人口が引き続き減少し、高齢化が進む社会でどのような課題が待ち受けるかも不透明な状態と言えます。

 いずれにしても我々が携わるメンテナンスの需要は、装置がある限り続きますし、「ひと」の重要性はますます大きくなります。これからの一年の活動もメンテナンス業界の社会認知強化と会員会社に向けてより良いサービスの提供を図れるようにと、「ひと」に重きを置いて活動を進めてゆきたく思います。

 平成29年度の活動や、平成30年度の計画につきましては、今総会の議案の事業報告書、ならびに事業計画書でも触れさせていただいておりますので、活発なご審議をいただきたくお願いして、本総会を開催するにあたっての挨拶とさせていただきます

(平成30年6月7日開催 日本メンテナンス工業会平成30年度通常総会会長挨拶より)